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【現地ニュース】Sevilla 双子姉妹の所有馬が馬連ワンツー — 日本拠点の馬主 Bianca と、フィリピン競馬のもう 1 つの「日本との接点」
CecilPadre Garcia の Philracom Chairman’s Cup で、Sevilla 家の双子姉妹 Bianca と Tisha の所有馬がワンツーを決めた。
1 着は姉 Bianca 所有の Circus Crowd、2 着は妹 Tisha 所有の Jungkook で、双子姉妹の馬で馬連が決まる事例は、現地の競馬関係者にも珍しい光景だった。
ただし ph-racing が注目したいのは、その配当ロマンよりも、姉 Bianca が日本を拠点にフィリピン競馬を所有・遠隔観戦しているという、もう 1 つの「日本 ↔ フィリピン接点」のほうだ。
ウマ娘コスプレの来場記事が示したのが「日本コンテンツ → フィリピン競馬場」という方向の橋渡しだったのに対し、Sevilla 姉妹は反対方向の「在外馬主 → フィリピン競馬」の橋渡しを、たまたま同じ時期に示している。
ニュースの要点
Philippine Jockey Club の公式ニュース(2026年5月27日付)によれば、要点は次のとおり。
- 5 月 24 日(日)、パドレガルシア新競馬場の Philracom Chairman’s Cup。1 着 Circus Crowd(馬主 Bianca Sevilla、鞍上 Jommel Lazaro)、2 着 Jungkook(馬主 Tisha Sevilla)、3 着 Easy Does It(父 Eagle Scout USA)。
- Circus Crowd は道中、ペースメーカー Bea Bell(父 He’s Had Enough USA)の後ろを好位追走、600m 標識で内をすくって先頭に立ち、直線は楽勝。Jungkook が 2 着を死守し、双子姉妹の馬で馬連が決まる異例の結果になった。
- 双方の調教師は Raymundo Mongaya。
- 当日 Bianca は現地におらず、トロフィーは Tisha・兄 James・母 Salvy が代理で受け取った。Bianca は主に日本を拠点に活動し、Tisha はマニラを拠点に活動していると PJC は伝えている。
Sevilla 家のプロファイル
PJC の記述から、Sevilla 家の構成は次のように整理できる。
| 立場 | 名前 | 役割 |
|---|---|---|
| 父 | Arthur “Toto” Sevilla | 1983 年から競馬関与。家系の長 |
| 母 | Salvy | 当日のトロフィー受取の 1 人 |
| 兄 | James Sevilla | 牧場・厩舎管理を担当 |
| 姉(双子) | Bianca Sevilla | 日本を拠点に活動。Circus Crowd 所有 |
| 妹(双子) | Tisha Sevilla | マニラを拠点に活動。Jungkook 所有。2021 年に馬主登録(兄弟姉妹で最初) |
PJC は「双子姉妹は幼少から父について調教場に通い、競馬への情熱が早くに根づいた」と伝える。Tisha が 2021 年に最初に馬主登録し、Bianca と James が後続で加わった。James が運営する牧場・厩舎は家族の競馬事業の中心になっており、所有・生産・厩舎管理が 一家族の縦割り運用としてまとまっている。
なお Felizardo “Jun” Sevilla(new-bloodlines-import 記事に登場した Justice Prevails / Repertory の馬主)は同姓だが別人物で、Philracom 委員歴と JRS Farm(Malvar, Batangas)の運営で知られる (Philippine Racing Commission Wikipedia)。Sevilla はフィリピンの racing コミュニティで複数の家系が存在し、混同しやすい点だけ留意したい。
なぜ「日本拠点の馬主」が見どころなのか
ph-racing がこれまで描いてきた「日本 ↔ フィリピン接点」は、umamusume の現地コスプレ来場に代表される コンテンツ起点の橋渡しだった。日本で増えたウマ娘ファンが海外の競馬場まで足を運ぶ流れだ。
Sevilla 姉妹のケースは、その反対方向の橋渡しを示している。
コンテンツ起点(umamusume ケース)
- 日本のキャラクターを通じて現地ファンが競馬に興味
- ファン層の拡大(観客・賭事人口候補)
- 資金規模は小、文化的影響大
投資者起点(Sevilla Bianca ケース)
- 在外馬主(日本居住)がフィリピン競馬を所有・運営
- 遠隔観戦・代理受取で参加が成立
- 資金規模は大、馬主参入のハードルを下げる事例
新興市場では「需要側の文化が育つかどうか」が立ち上がりの鍵になる(アジア競馬の「眠れる巨人」? 参照)。需要は通常、現地観客・賭事人口で測られるが、Sevilla 姉妹の事例は 「現地に住んでいない投資者」が需要側に参加できる形を示している。
これは特に日本のファン・投資者にとって意味がある。日本の競馬ファンがフィリピン競馬への興味から所有・参入を検討する場合、「マニラ常駐が前提か」「遠隔で何ができるか」は最初の問いになる。Bianca の事例は、家族・厩舎・調教師のサポート体制さえあれば、海外居住でも本格的に所有・運営できることを既に証明している。
PJC の記述によれば、Bianca はライブストリーミングなどでレースを欠かさず観ているという。これは新拠点パドレガルシア新競馬場の 国際ストリーミング配信整備(同じく PJC が公言)と接続する話で、配信インフラの整備自体が、Bianca のような海外居住馬主・観戦者を物理的につなぎ続ける生命線になる。
勝ち馬 Circus Crowd と 2 着 Jungkook の血統
ワンツーの 2 頭はいずれも背景が興味深い。
Circus Crowd(Bianca 所有)
- 4 歳牝馬、父 Juggling Act(AUS)、母 Isabel(フィリピン産)
- 父 Juggling Act は Giant’s Causeway(USA)系の豪州産種牡馬で、2011 年と 2012 年にフィリピンの Horse of the Year に輝いた現役時代の名馬(Giant’s Causeway — American Classic Pedigrees に Juggling Act AUS の名が産駒一覧として確認できる)
- 母 Isabel の母父は Real Spicy(USA)で、PJC は「2006 年に Presidential Gold Cup を制した 11 連勝の伝説的競走馬」と紹介する(Real Spicy wins Presidential Gold Cup(2006年12月17日付、現地報道))
- Padre Garcia で 4 戦 3 勝。同コースとの相性が際立つ
- PJC は 12 月の Presidential Gold Cup(フィリピン最高峰のうちの 1 つ)の有力候補と書く
血統の縦軸が面白い。父系は豪州 Horse of the Year、母系は 20 年前のフィリピン Presidential Gold Cup 制覇馬。フィリピン国内の歴史と豪州輸入血統が、Circus Crowd という 1 頭の中で交差している。
Jungkook(Tisha 所有)
- 父 Low Profile PHI(フィリピン産種牡馬)
- 2025 年 7 月 30 日に PCSO Silver Cup を勝った(Sportskeeda「Am I supposed to stan this Jungkook, too?」)
- PJC によれば、2025 シーズンの Horse of the Year を District One と共同受賞
- District One は父 Sepfourteen PHI(filipino-jockeys-intro で John Alvin Guce の代表馬として登場、2015 年のセリで「醜いアヒルの子」と呼ばれながら 2 歳時 4 戦 4 勝で三冠を制したフィリピン現代史の名馬)の産駒
注目したいのは Jungkook が BTS のメンバー名にちなんだ命名で、現地・日本両方の K-Pop ファンに話題になっている点だ。これも別の形の「コンテンツ → 競馬」接続で、ウマ娘ケースと並ぶ、日本市場(ひいては K-Pop を共有するアジア市場)と地続きの注目源になっている。
国際比較 — 海外居住馬主のフィリピンでの位置
日本・米国・豪州の競馬では、海外居住の馬主は珍しくない。
- 日本: 中東や中国の馬主が複数の日本産馬を所有し、ドバイ・香港等で出走させる例が確立
- 米国: ヨーロッパや日本の馬主が米国産馬を所有、Breeders’ Cup 等で出走
- 豪州: 香港・アジア圏からの海外馬主が豪州 G1 路線に投資
これらに比べると、フィリピンへの海外居住馬主の参入は規模が小さい。だが Bianca の事例は「海外居住でも本格的に参加できる」点を実証し、新拠点パドレガルシア新競馬場が国際ストリーミングや国際賭事に対応していけば、フィリピンも国際的な海外居住馬主の供給先候補に入れる素地ができつつある。
日本のファン・投資者にとっても、umamusume コスプレと Sevilla 姉妹は、フィリピン競馬を「自分ごと」として捉え直す 2 つの異なる入口になる。
残された注意点と留保
事実関係の濃淡について、明示しておきたい点がある。
- Bianca の日本での具体的所在・職業は PJC 記事のみが情報源で、本記事は個人情報としてそれ以上深掘りしない。PJC 記述以上の詳細を提供する公開情報は本記事執筆時点で確認できなかった。
- District One と Jungkook の Horse of the Year 共同受賞は PJC の記述に依拠する。Philracom 公式のリストでの裏取りは執筆時点では公開ベースで確認できなかった ※推定的に扱う。
- Real Spicy の「11 連勝」は PJC 記述に基づく。Presidential Gold Cup 2006 制覇は別の現地報道でも確認できる(上記出典)が、連勝記録の正確な数字は二次確認余地あり ※。
- Sevilla 姓の混同: 本記事の Arthur “Toto” Sevilla と、new-bloodlines-import に登場した Felizardo “Jun” Sevilla は別人物。後者は Philracom 元委員・JRS Farm(Malvar, Batangas)運営者で、Don Julio / Justice Prevails / Repertory 等の馬主。フィリピンの racing コミュニティでは複数の Sevilla 家が活動している点に注意。
- 賭事への含意は扱わない: 本記事は post-race report と日本市場との接点解説で、馬券買い目や予想は扱わない。
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まとめ
Sevilla 双子姉妹の所有馬が馬連を決めたのは確かに珍しい現地ニュースだが、ph-racing が読みとりたいのは、その背後にある「在外(日本居住)馬主」という構造のほうだ。
umamusume の現地コスプレ来場が「コンテンツ起点」の日本 ↔ フィリピン橋渡しだったのに対し、Sevilla 姉妹は「投資者起点」の橋渡しを同じ時期に示している。
両者はベクトルが反対だが、共通するのは フィリピン競馬が、新拠点パドレガルシア新競馬場の開設を契機に「自分ごと」として捉え直されつつあることだ。
12 月の Presidential Gold Cup で Circus Crowd が再び話題になるなら、Sevilla 家の名前と日本拠点の馬主というフレームは、その時点でもう一度浮上することになる。
Sources
- Philippine Jockey Club「Sevilla’s Circus Crowd and Jungkook Quinella Chairman’s Cup」
- Philippine Racing Commission — Wikipedia(Felizardo R. Sevilla Jr. の Philracom 委員歴)
- Real Spicy wins Presidential Gold Cup(2006年12月17日、現地報道)
- Giant’s Causeway — American Classic Pedigrees(父系の確認)
- PCSO Presidential Gold Cup — Wikipedia(フィリピン最高峰の重賞の体系)
- Sportskeeda「Am I supposed to stan this Jungkook, too?」(2025年7月30日 PCSO Silver Cup 関連報道)
よくある質問
Sevilla 双子姉妹とは誰ですか?
フィリピンの馬主 Arthur "Toto" Sevilla の娘で、Bianca と Tisha という双子です。父 "Toto" は 1983 年から競馬に関与してきた家系の長で、母 Salvy、兄 James(牧場・厩舎管理担当)と合わせて家族で競馬事業を運営しています。Tisha が 2021 年に馬主登録、Bianca と James が続いて加わりました。
なぜ「日本との接点」になるのですか?
Philippine Jockey Club の公式記事によれば、姉妹のうち姉の Bianca は主に日本を拠点に生活しています。今回のワンツー時もパドレガルシア新競馬場には現地におらず、トロフィーは妹 Tisha・兄 James・母 Salvy が代理で受け取っています。在外で所有・運営する馬主の存在は、ウマ娘ファンの来場記事(コンテンツ起点の橋渡し)に並ぶ、もう一方の「投資者起点の日本 ↔ フィリピン橋渡し」と読めます。
勝ち馬 Circus Crowd と 2 着 Jungkook はどんな馬ですか?
Circus Crowd は Bianca 所有の 4 歳牝馬で、父 Juggling Act(AUS、2011・2012 フィリピン Horse of the Year)、母 Isabel(母父 Real Spicy USA = 2006 Presidential Gold Cup 勝ち馬)。Padre Garcia 4 戦 3 勝でコース得意。Jungkook は Tisha 所有で、父 Low Profile PHI、Philippine Jockey Club によると District One(父 Sepfourteen PHI)と 2025 シーズン Horse of the Year を共同受賞しました。双方 Raymundo Mongaya 厩舎。
新拠点パドレガルシアで何を狙っているのですか?
PJC の記述によれば、Circus Crowd は 12 月の Presidential Gold Cup の有力候補です。Padre Garcia 4 戦 3 勝の馬場適性と、今回のワンツーで見せた完成度を考えると、新拠点で開催されるシーズン目玉の重賞で Sevilla 家の名前が前面に出る可能性があります。
出所は?
Philippine Jockey Club の公式ニュース([hqge](https://pjcracing.com/news/hqge))が中心で、家族構成・Bianca の日本拠点・Horse of the Year 共同受賞などはこれに依拠します。Felizardo "Jun" Sevilla(new-bloodlines-import 記事に登場した別の馬主)は同姓ですが Philracom 委員歴・JRS Farm 運営など別人物です。